保護者の方へ

不登校・いじめ・発達面・学習面・進路などの困りごとや心配など、まわりの人に相談することや理解してもらうことが難しい悩みや不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。TOPOSでは、どんなときでもみなさんのお話をよく聴き、気持ちに寄り添いながら、精一杯応援していきたいと考えています。

ひとりで抱えないための教育相談・面談

無料の教育相談・面談を何度でもおこないます。不登校のお子さんを抱える保護者のみなさんには、先が見通せない焦りや不安をひとりで抱えている方も多いと思います。負担が少しでも軽くなるよう、経験豊富なスタッフや専門性をもったスタッフがお話をゆっくりお聞きして、解決の糸口や具体的な一歩を一緒に考えていきます。

関係機関との連携

さまざまな事情に応えていくために、小中高校の先生、養護教諭・スクールカウンセラー、教育委員会、教育センター、子ども家庭支援センター、児童相談所、医療機関、子ども若者応援フリースペースなどとの連携をしてきました。大田区・品川区・目黒区の小中学校では、エルムアカデミー昼間部(現TOPOS)への参加が在籍校の出席として認定されています。学校との連携のなかで復学した例も多くあります。

進路の向き合い方

TOPOSに通う中学生の大多数は、「進路」を考えるなかで、学校復帰を考えて高校進学を希望します。現在、不登校の中学生が進学できる高校は都立私立問わず多様なタイプが数多くあります。一人ひとりの願いや状況に寄り添いながら、子どもと保護者が一緒に進路を考えていける機会をつくり、それぞれの思いを応援していきます。教科学習の学び直しだけでなく、都立チャレンジスクールなど特別な受験対策が必要な場合も、一人ひとりに合った対応を丁寧におこないます。

「昼間部ってこんなところ」

息子はこの春、中学校を卒業しました。
中学入学後、だんだんと登校できなくなっていった息子は、中学2年の2学期から約1年半の間、週2日の日中は、エルムの昼間部に通って過ごしました。
息子の中学校生活を振り返ると、ここまで山あり谷あり、本当にいろんなことがありました。エルムは、息子がその一つ一つを乗り越えていくためのエネルギーを蓄える…そんな場所だったように思います。
エルムの昼間部は、決まったカリキュラムはありません。昼食作りや外出企画はありますが、基本的にはフリースタイル。
だから息子は「〇〇しなければいけない」というプレッシャーは感じなかったのではないかと思います。
中学校生活では、自分なりに頑張って頑張って…学校という環境に疲れて果ててしまった息子にとって、昼間部は気負うことなくリラックスでき、安心して過ごせる空間だったのでしょう。
そして何より大きかったのは、同じ時間を共に過ごした仲間の存在です。
昼間部の子どもたちは、一人一人理由は様々ですが、「学校に行かない」という選択をしているという点では共通しています。
一人一人が抱える「しんどさ」は、当事者同士だからこそ、多くを語らなくても自然と察し合えるのかもしれません。
そんな仲間たちと何気ない会話を交わし、同じ空間で共に時間を共有することで、息子は素のままの自分を少しずつ自己肯定できるようになっていったんだと思います。
ここにいて大丈夫、できないことがあってもいいんだ、今の自分でもいいんだ…そう感じさせてくれた空間。
仲間と、ただただ楽しく笑って過ごした時間が、自然と息子の心を癒し、次のステップへ進むエネルギーへと変えてくれたのかもしれません。
また、不登校になるとどうしても自宅に閉じこもりがちになり、日中の活動性が低下していきます。
息子も同様に、だんだんと起床時間が乱れて昼夜逆転の生活になっていましたが、エルムに通うことで、朝はきちんと起きる目的ができました。
仲間たちとの交流を通してたくさんの刺激を受け、気持ちもリフレッシュして帰って来た日の晩は、自然と心地よい眠りにつくことができ、徐々に生活リズムも改善されていきました。
昨今、不登校の子どもたちの居場所は、フリースクールという形で学校復帰をゴールとするもの、学習サポートを中心とするもの、集団が難しく個別対応するもの等々…様々な形態が存在します。
そんな中でエルムは、あくまでも集まる子どもたちに合わせて縦横無尽、一つのゴールだけを目的にはしていないように感じます。
息子にとってエルムの昼間部は、「絶対的な安心感」を与えてくれた、そんな貴重な居場所でした。

2019年 朝日 美枝さん

※「昼間部」は2022年より「TOPOS(トポス)」と名称をあらためました。

「昼間部ってこんなところ」

「エルムってどんなところ?」

エルムに子どもを通わせる理由は、家庭により様々だと思いますが、子育てや教育に悩んだ末にエルムを選んでいる家庭が多いと思います。子どもたち自身は、学校や普通の塾にはなじめなかったり勉強が苦手だったり、様々な悩みや生きづらさを抱えています。エルムは、このような子どもたちを認めて尊重してくれる貴重な存在です。
また、エルム卒業生が親になり、その子どもをエルムに通わせるようになってきています。エルムでの経験がかけがえのないものとなり、子どもにもそのような経験をさせたいと思ってのことだそうです。エルムは、通常では得られない経験を積むことができる唯一無二の場所でもあります。
このため、エルムアカデミーを単なる「学習塾」と呼ぶのは相応しくありません。個人的には、エルムユニバーシティと呼ぶのが良いかもしれないと思っています。エルムの子どもたちやスタッフを見ていると、「多様性」を意味する「ダイバーシティ(Diversity=di:バラバラに+verse:向く)」という言葉が思い浮かびます。その対義語は、「普遍的・統一的・均一的」などを意味する「ユニバーサル(Universal=uni:一つに+verse:向く)」です。このように、ダイバーシティとユニバーサルは、相容れない概念のように思えます。
しかし、「総合大学」を意味する「ユニバーシティ(University)」は、多様な知恵や人材が一つに結びつく理想の場として発想された言葉だそうです。ですから、エルムアカデミーからエルムユニバーシティに改名した方が良いかもしれないと勝手に思っているのです。

2020年 堀内 正優さん

「エルムってどんなところ?」